持続可能な農業

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牛やヤギは草を沢山食べるというのはみなさん知っていると思うけど、鶏も草が大好き、というのはあまり知らないと思う。

じつは鶏も、草が大好きだ。

鶏に与える草を緑餌(りょくじ)と言う。

主食となる餌は、トウモロコシをはじめ穀物になる。 タンパク質の凝縮した卵を鶏に産ませるには魚粉や大豆カスなどの高タンパクな餌を与える必要がある。

ほんま農園では主食の餌の他に、草(緑餌)を毎日たっぷり与えている。

春から秋はあちこちに生える草。 草の無い冬は、野菜クズを引き取って、365日与える。

草を与えても、卵の数は変わらない。

では、なぜ草を与えるのか?

鶏の健康と、卵の質のためだ。

高タンパクなエサは味の濃い卵ができるが、同時に生臭い匂いがしてしまう。

また鶏の腸内環境が酸性になる。人間で言えば肉中心の食事だと思う。 野生の鳥は自分の体調に応じて、草を食べたりして調節しているはずだ、自然から切り離された産業動物である鶏は普通なら草を食べることが出来ない。  だから、必須アミノ酸と呼ばれる、微量要素を餌に添加している。  必須アミノ酸 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%85%E9%A0%88%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%8E%E9%85%B8  これも人間で言えば、野菜を食べずにサプリメントで栄養素を補充している感じだと思う。 うちは草をたっぷり食べさせることで、必要な栄養素を取れるように考えている。 f:id:inetoniwatori:20200820214227j:plain  農家のする作業のうち、草刈りはかなりのウエイトを占めると思う。 刈っても刈っても伸びる草。 夏の炎天下の草刈りはかなりの重労働だ。 私は草刈りが結構好きだ。 基本的に刈った草は集めて鶏に与えている。暑さで餌を食べる量が減っても、みずみずしい草は好物だ。あっという間に平らげてしまう。  鶏の喜ぶ姿を見るのは嬉しいし、何より良質な卵へと繋がるのを感じるからだ。 昔は草は貴重だったし、資源だったと思う。 農家は牛や馬、ヤギを飼い、その餌として草を活用していた。 集落には共同の草刈り場があった。   そして、家畜の糞は堆肥として、大地に還り、永続的な循環が行われていたはずだ。  次回へ続く。